ひとひろ

日常より、もう少し深いところへ。ひびのこと、たびのこと、ならのことを綴ります。

【おそとのええとこ】 いってきます、いってらっしゃい 【奈良・ゲストハウス琥珀】

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空気が冷たくなる頃になると、受験生の時分を思い出します。
芳しくない模試の成績。張り詰めてゆく教室の空気。
いきなり志望校を変えたのは、秋も深まった頃でした。
「奈良の大学、ええかも」
それが文字通り、自分の人生を変えることになろうとは。当時は思いつきもしませんでした。

帰りたくなる場所ができました

そうして奈良で、4年間の学生生活を送りました。
平安時代を学びたかったのに都を間違えたよ!とよく言ったものです。
しかし愛着はあったものの、造詣を深めきれずに奈良を離れることになりました。

ところがいざ卒業となったとき、えも言われぬ感情が胸に押し寄せる。
めでたく奈良病を発症し、学生時代よりも真面目に通う日々が、始まったのです。
いつしか私にとって奈良は「かえる場所」になっていました。

 

hitohiro.hatenablog.com

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おそとのええとこ、おすそわけ

あまりにも奈良の話ばかりだからか、今年は何度か友人への奈良案内人の役を努めることに。
今回はなんと「修学旅行以来!」という関東の友人の案内役でした。
むむ、京都に泊まったというお決まりのコースと聞くならば、奈良に泊まりましょうとも。
ついでにゲストハウスの初陣もお手伝いさせてください。
若干強引な導きにより、ガイドの私自身がずっと泊まってみたかったお宿にお世話になってきました。

nara-kohaku.com

いつも「古寺巡礼宿」の看板が気になって仕方がなかった琥珀さん。
結論からいうと、すごく贅沢なひとときを過ごさせていただきました。
旅に夢中で写真を撮り忘れたので、拙い言葉だけですみません。

随所に見える、奈良なら、なら?

琥珀さんは9名だけの小さなお宿、個室もあるので初陣にはぴったり。

輝くステンドグラスの家具が印象的なロビーにまず一目惚れでした。
綺麗に整えられたスペースの至る所には、奈良が小さくひそんでいます。
お手洗いに土偶があったり、スリッパが可愛い鹿だったり!
個室からは元興寺小塔院跡が拝めて、これはひそんでいない、奈良。

サロンには本棚(文化財、奈良だけでなく素敵なテーマがぎっしり)が。
人の本棚を拝見する楽しさ……懐かしい国語便覧、世界史や日本史の資料集に思わす声をあげました。これ、手放せませんよね?

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奈良で文化財について学ばれていたオーナーの境さんからは、知識がさらさらと流れてきて、奈良ビギナーの気持ちで勉強させていただきました。
博物館で会う仏像と、お寺で会う仏像。その二つは似て非なるという話にはっとしたり。
かと思えば、私の大好きな奈良のお店の話で盛り上がったり。
自分の知っている奈良が、どんどんリンクして、新しい奈良になってゆくのが楽しくて仕方がありませんでした。
美味しいご飯から、文化財あれこれまで、なんでも尋ねてみたくなります。
ゲストハウスにすぐに順応した友人と二人で、色々お話させていただきました。

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朝食は教えてもらった、鹿の舟の「竈」でしあわせ気分に。

www.kuruminoki.co.jp

いってきます、いってらっしゃい。
ゲストハウスに滞在して一番嬉しいのは、様々な人と、この挨拶を交わす瞬間かもしれません。
別れを惜しみながら旅立ち、後ろを振り返ると。
ずっと手を降ってくれる背中の安心感。
あのこそばゆくもあたたかい感じに、幸福をおぼえました。

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かえる場所/帰りたい場所 へ

奈良が、私にとって「かえる場所」になればいいし、誰かにとっての「帰りたい場所」になればいいなと思います。
今回も、またひとつ「帰りたい場所」であり「伝えたい場所」ができました。

琥珀色のウイスキー、のように。
琥珀という言葉はときに、長く重ねられた年月の意を含みます。
奈良という地は、様々なものが積み重なって、醸成された土地だと思います。
その美しさや奥深さに、もっと触れてみたい。
琥珀さんでは、そんな方の背をそっと押してくれます。
旅立つときには、あなただけの奈良が胸の内に棲んでいる……かもしれません。
(後日談ですが、素敵なお便りをいただいて、また帰りたくなっちゃいました)

読んでいただき、ありがとうございました。

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鹿は神様やからここ通ってもええんやで。

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ゆのじ

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